NHK
http://www.nhk.or.jp/tokushima/lnews/03.html徳島市内にある、朝鮮総連、在日本朝鮮人総連合会の関連施設に対して、徳島市はこれまで固定資産税などを一部減免していましたが、今年度分についてはこの措置をとらないことを決めました。
徳島市では朝鮮総連徳島県本部が入っている徳島市万代町の「朝鮮会館」の土地と建物について、「2階と3階部分は集会所に準じた施設であり公益性がある」として昨年度まで20年以上にわたって固定資産税や都市計画税の一部を減免してきました。
この減免の今年度分について、朝鮮総連徳島県本部の関連法人は、昨年申請していました。
徳島市では、今年2月に福岡高等裁判所が、熊本市内の朝鮮総連関連施設について「活動に公益性は認められない」として固定資産税などの免除を違法とする判決を出したことから判断を保留し、施設の利用実績などについて調査を進めてきました。
その結果、「一般人の利用がほとんどなく公益性はない」と判断し、29日までに今年度分についての減免の申請を棄却しました。
これについて朝鮮総連徳島県本部では「『公益性がない』という判断は承服しがたい。市からの通知の内容を十分検討して対応を決めたい」と話しています。
税制の公平性や施設の公益性の有無を論点として朝鮮総連関係施設の固定資産税減免に関する議論が存在しています。幾つかの自治体ではこれまで総連施設の「公益性」を認め、税を免除ないし減額してきたことについて「本当に総連施設に〈公益性〉が存在するのか、不公平な優遇措置ではないのか」などと批判が集まり、見直しが進められています。2006年の初めには福岡高裁によって「総連施設の税減免措置は違法」という判決も出され、2007年には最高裁判決でも高裁判が支持され、税減免措置の違法性が確認されました。このような司法による法的解釈に加え、世論による注視もあってか減免措置を見直す自治体は多くなってきています。
高裁判参考:
読売新聞
朝鮮会館の課税減免措置は違法、救う会熊本が逆転勝訴 :より一部引用
中山裁判長は「朝鮮総連が北朝鮮の指導のもと、北朝鮮と一体の関係にあり、北朝鮮の国益や在日朝鮮人の私的利益を擁護するため、活動を行っていることは明らか。朝鮮総連による会館の使用は公益性がなく、減免措置は違法」と判断した。
朝鮮総連関連施設の税減免を巡る初の高裁判断。高裁が明確に朝鮮総連の活動の公益性を否定したことで、全国の自治体の課税処分にも影響を与えそうだ。
2審では、会館が減免対象となる「公民館類似施設」に当たるかどうかが最大の争点となった。中山裁判長は、「朝鮮総連の活動が、日本社会一般の利益のために行われているものではないことは言うまでもない」と指摘。会館の大部分の部屋を、朝鮮総連の地方組織や傘下団体が使用している点をあげ、公益性が求められる公民館類似施設としての利用状況に、大いに疑問があると指摘した。
最高裁判参考:
産経新聞 2007/11/30
熊本市の朝鮮総連施設への税減免措置は違法と“確定”
朝鮮総連施設に非課税措置は違法確定
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071130/trl0711301551006-n1.htm 熊本市の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関連施設への固定資産税減免措置は違法などとして、市長が徴税権を行使しないことの違法確認などを市民が求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)は30日、市長側の上告を退ける決定をした。
これで、税減免措置の違法性を認めた2審福岡高裁判決が確定した。
「朝鮮総連関連施設への税減免措置は違法」との判断を最高裁が是認したのは初めて。
さて、静岡市では「皆さんからのご意見」という形で行政に対する意見を募集しています。そのページでなされた朝鮮総連税減免に関する意見を以下に見ていきましょう。
静岡市 皆さんからのご意見
http://vp.city.shizuoka.jp/koe/detail.php?id=604&ken_bunrui=3&ken_key=&ken_year=&ken_mon=&ken_bunrui=3● 寄せられた声
件 名: 朝鮮総連施設への固定資産税の減免措置
要 旨: 以下の質問について特にお教えください。
1 他国地域からの外国人支援施設で同様の処置を行っているものはあるのか。
2 減免処置を行っている上記施設の利用状況、経理状態など行政は把握し、問題ないと判断できるのか。
3 公共性のある施設ということだが、他の一般市民も申請すれば特に問題なく利用することは可能であるのか。
● 対応・回答等
1 他国地域からの外国人支援施設で同様の処置を行っているものはあるか、との質問ですが、現時点ではありません。
2 固定資産税及び都市計画税に係る減免の申請がされた場合は、書類による審査のほか、実地調査を行うなどにより減免理由の事実確認をすることから、当該施設の利用状況など減免理由の事実確認において必要なものについては把握し、判断をしております。
3 当該施設の利用については、在日朝鮮人以外の市民も可能であると聴取しています。
担当課: 税制課
静岡市 皆さんからのご意見
http://vp.city.shizuoka.jp/koe/detail.php?id=603&ken_bunrui=3&ken_key=&ken_year=&ken_mon=&ken_bunrui=3 本件にかかる減免申請についても、書類による審査及び実地調査を行うことにより、減免理由の事実確認を行った結果、静岡市税条例第77条第1項第2号「公益のために直接専用する固定資産」及び静岡市税条例施行規則第7条第1項第2号(ア)「自治会、町内会その他これらに類するものが所有し、又は他から無料で借り受けて公共的施設として直接その本来の用に供するもの」に該当するものと判断し、減免を相当とする公益上の必要性があると認められた部分の固定資産について減免措置を講ずることとしました。
判断の根拠としました、静岡市税条例施行規則第7条第1項第2号(ア)につきまして、ここで規定されている「公共的施設」とは、町内会、自治会をはじめとした地域性のある施設を前提としております。
また、「自治会、町内会その他これらに類するもの」につきまして、地域では様々な組織、団体、個人が、住みよいまちづくりといった目的を掲げ、ときには相互に様々な関係を持ちながら活動しておりますが、このような地域に根ざして活動する団体のうち、構成員の居住地域別で組織が区分される自治会、町内会とは別に、住民でもある外国人等が国籍等の事情により地域的に集まり合うことにより形成された組織で、自治会、町内会と同じような活動をしていることが認められた場合には、これを地域社会に存在する地域コミュニティとして、「自治会、町内会その他これらに類するもの」に含めるものとしております。
本市に所在する朝鮮総連関連施設につきましては、在日朝鮮人社会のコミュニティ活性化及び生活と福利の向上、民族の伝統文化や民族教育、南北朝鮮の友好及び協力、地域住民との親善及び協力等の活動により、市域または県域を単位とするコミュニティを維持することを目的とした施設であるものと認められたことから、直接これらの用に供する固定資産について、減免を相当とする公益上の必要性があるものと判断しました。
静岡市の総連施設の利用実態は守秘義務、個人情報上明らかになっていませんが、どのような実態があるのか、という点には疑問が湧いてきます。静岡市の場合は「在日社会の活性化、地域住民との親善及び協力」など、様々な理由を基に朝鮮総連施設の「公益性」を認め、「自治会、町内会に類する団体が所有する施設」と判断し、税を減免しています。
静岡市側の回答から、ここで問題となるのは
(1)朝鮮総連は「自治会、町内会またはそれに類似する」団体に該当するのか、(2)朝鮮総連施設に「公益性」は認められるのか、という2点であることが分かります。正面から議論しようというのは駿河人の心意気です(嘘)。
では、まず朝鮮総連は町内会類似団体に該当するかを考えましょう。静岡市の回答からここでいう「町内会」とは地方自治法260条の規定(「地縁による団体」)を前提においているように思えます。地方自治法における「町内会」とは
地方自治法
第260条の2
1.その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行つていると認められること。
2.その区域が、住民にとつて客観的に明らかなものとして定められていること。
3.その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となつていること。
4.規約を定めていること。
というものです。条文が設定する要件に従えば、「民族団体」が「構成員の居住地域別で組織が区分される地域的な共同活動を行うことを目的とする団体で、その区域で自由に個人が加入でき、相当数のものが構成員となっている」団体であるというわけではありませんし、基本的に町内会は(1)一定の範囲区画を有し、(2)全世帯を組織し、(3)地域を包括し且つ代表する、(4)住民自治組織ということが核となっている団体と考えられます。こうなると、朝鮮総連を「町内会」として認定するのはキツクなってきます。
そのためか、静岡市は
静岡市 皆さんからのご意見
http://vp.city.shizuoka.jp/koe/detail.php?id=603&ken_bunrui=3&ken_key=&ken_year=&ken_mon=&ken_bunrui=3 また、住民でもある外国人等が国籍等の事情により地域的に集まり合うことにより形成された組織で、自治会、町内会と同じような活動をしていることが認められた場合には、これを地域社会に存在する地域コミュニティとして、「自治会、町内会その他これらに類するもの」に含めるものとしております。
として、「外国人同士の地域コミュニティ」は「町内会類似団体」であるというように広めに認定していることが分かります。ひとつは「外国人の地域コミュニティは税条例の条文が想定した町内会類似団体になるのか」、次に「朝鮮総連が外国人の地域コミュニティにあてはまるのか」、さらに「朝鮮総連は町内会類似団体にあてはまるのか」が問題になります。
税条例は「自治会、町内会その他これらに類するもの」としており、その念頭に自治会・町内会の機能を有する地域的団体という風な想定がなされているものと理解できますし、且つ、税条例ですから裁量は狭められていると解釈するのが普通です。「朝鮮総連」が町内会が有する基本的性格を具備し、機能しているのか、町内会の機能を毀損するような性格はないのか、そんな風な疑問も頭をよぎります。
また、果たして、上記の静岡市の設定した要件、「自治会、町内会と同じような活動をしていることが認められる」、に朝鮮総連が該当するのかもまた問題になってくるでしょう。
朝鮮総連の目指すものは「
北朝鮮のまわりに在日を総結集させ、チュチェ思想を継承・完成し、在日の権益を擁護する」ことです。これが第一。他にも「朝鮮民主主義人民共和国を熱烈に愛し擁護すること」、「反統一勢力を排撃すること」、などがあります(朝鮮総聯綱領)。これは「良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的」(地方自治法260条)するという町内会活動とかなり遊離した活動目的であろうか、と思います。
また、「公益性」と関係しますが、町内会活動は基本的に地域コミュニティの充実のためにゴミを収集したり、慶弔活動をしたり、「祭り」をしたり、するわけですが、在日社会、総連団体の権益増進、民族の結集という主眼がこのような「町内会」活動に合致するのか、という疑問も残ります。
市の調査実態そのものは明らかになっていませんが、総連に明白な町内会類似活動が見られ、「現にその活動を行つていると認められる」のか気になるところです。
次に、「公益性」ですが、熊本の施設に関する福岡高裁・最高裁の判決では、「公益性」は「日本社会一般の利益」と解釈され、朝鮮総連傘下団体等の利用実態を考えて税減免を違法とした点に注目してください。在日社会、朝鮮総連の利益増進は必ずしも「公益」には合致せず、「公民館類似施設」として税を減免するのは違法である、ということです。静岡市も例外ではなく、「公益性」の認定で問題が出てくる可能性が出てきます。
さて、上記の回答で、面白いのが「
当該施設の利用については、在日朝鮮人以外の市民も可能であると聴取しています」との話。ここで一つの事例を提示したく思います。
国民新聞
朝鮮総連施設 全国で課税要求高まる
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H15/1509/1509064tax.html 全国で朝鮮総連施設への固定資産税の減免措置を見直す動きが
広がっている。そうした中、静岡経営者漁火会の中嶋文雄会長は
6月18日、小嶋善吉静岡市長に朝鮮総連関連施設への課税要求
をしたところ、同市は
「現段階では考えていない」
と回答した。
静岡市では現在、朝鮮総連県本部が入る静岡朝鮮会館の建物と敷地について、
「現在は、自治会や町内会の集会所と同じように公益施設として免除している」
として固定資産税・都市計画税を全額免除している。
これに対して中嶋氏は8月18日に朝鮮会館に対して会議室借用願いを提出したところ、翌日、
「朝日友好の目的を持った行事や会議に限る」
と断りのFAXが届いた。このため中嶋氏は静岡市に対して
「一般市民のお願いを断つことは税金免除理由の公共性を欠く」
として課税要求を提出した。
この記事に拠れば「公益性」によって税が減免されている同施設の管理者側は政治的主張を審査し、これによって利用者を判断、拒絶していることが分かります。これは、税減免の根拠となっている税条例
静岡市税条例第77条第1項第2号
「公益のために直接専用する固定資産」
静岡市税条例施行規則第7条第1項第2号(ア)
「自治会、町内会その他これらに類するものが所有し、又は他から無料で借り受けて公共的施設として直接その本来の用に供するもの」
に抵触する行為ではないか、と私には思われます。自治会、町内会の活動として政治的主張の内容を審査して関係者を排除するものがあるとは思われませんし、「公共的施設」としての本来の用に供していないものとも考えられます。朝鮮総連側が「公益性」「公共性」を決め付け判断しているということにもなってくるでしょう。
この件についての質問で静岡市側は、
静岡市 皆さんからのご意見
http://vp.city.shizuoka.jp/koe/detail.php?id=603&ken_bunrui=3&ken_key=&ken_year=&ken_mon=&ken_bunrui=3 また、当該施設の会議室利用において、施設管理等の面から利用を拒否する場合もあることから、このことのみをもって公益性がないと判断することはできないと考えています。
なお、減免に係る具体的内容は、地方税法における守秘義務の範囲であるためご理解ください。
として、「施設管理等の面から利用を拒否する場合」とこれを位置付けて総連側の対応を肯定し、税の減免が正当であることを強調する姿勢をとっています。市側が総連側からこの事例に関する事情を聴取せず、一方的に消極目的(管理保全や警備等で)の拒絶を認定することには疑問が浮かびます。施設利用を拒絶する場合、他申請者との競願関係での先着優劣や集会が施設設備上の点で適さない場合、それに加えて消極目的での拒絶という3つが考えられますが、今回の場合どうなのでしょうか。
まず、「静岡経営者漁火会の中嶋文雄会長」とありますが、中嶋氏は静岡レスコハウスという静岡では有名な住宅会社の社長であり、漁火会は拉致問題を重視しているとはいえ暴力的極右組織ではなく全国的な経営者団体です。中嶋氏が朝鮮総連施設の管理をメチャメチャにするような行動を採るとは常識的には考えられません。
また、これはあくまで公共施設に関しての話ですし、税条例にある「公共施設」と地方自治法244条の「公の施設」とは異なったものかもしれませんが、一応述べておきたいと思います。地方自治法にある「公の施設」を集会等で利用する場合、他の人権が侵害される差し迫った危険がある場合は使用を拒絶することも出来るのは確かです。しかし、
その危険は蓋然性程度ものではなく、「明らかな差し迫った危険」を基準としています(泉佐野市民会館事件を参照)。この「明らかな差し迫った基準」は
「客観的な事実に照らして具体的に明らかに予測される場合」のみ認定されうるのです。総連施設が仮に地方自治法にある「公の施設」ならばこの措置は違法であったことでしょう。
加えて、国民新聞側の記事が正しければ、「施設利用は朝日友好に限る」という政治的主張の差異を理由に使用を拒絶しているのであって、静岡市の主張する消極目的規制と明らかに事実関係が異なっています。政治的主張を審査し、その差異によって利用を制限する行為は明らかに「公益性」との関係で問題を引き起こします。
減免の申請にあたって施設側は
静岡市議会
静岡市議事録
2004-12-14 : 静岡市:平成16年 総務委員会 本文
◯石上税制課長
「まず、減免理由の概要でございますけれども、申請者は一つとしましてその所有する固定資産を朝鮮総連及び傘下団体に会館、集会所及び事務所として無償で貸していること。
2番目としまして、朝鮮総連及び傘下団体はその活動を同胞等の寄付と会費の徴収により行っていること。
3番目としまして、これらの団体は市民との交流を図るための場として利用してきたことなどから、本件固定資産は公益性の高い事業を行う施設であることを理由として提出されたところでございます。」
「在日朝鮮人以外の市民につきましても、借りたいという要望がございましたら貸せるということで伺っております。」
として、在日外の市民の利用にも供する旨、市に連絡を入れていることが分かるわけです。
繰り返しになりますが、上記の要望書の
(1)と(2)では「公益性」が朝鮮総連や在日社会の「私的利益」にあることを明白にするものである、と私には思われますし、(3)では中嶋氏の受けた仕打ちにあるように利用目的や「公益性」と逆行する問題を引き起こしているわけです。
朝鮮総連が「町内会類似団体」であるのか、朝鮮総連施設に「公益性」が認められるのか、この両論点についての疑問は私の中では絶えていません(といっても「公益性」が最大の焦点であるとは思っています)。
私は、静岡市の朝鮮総連施設固定資産税減免も他の固定資産同様に厳しい審査のうえでなされる必要があると同時に、この段階での減免には違法性が付き纏っているものと考えています。
純粋に法律関係、地方税制、地方財政関係について興味が湧く問題ですね。皆さんはどう思われますか?
反論・批判・意見等が御座いましたら是非どうぞ。
2008/07/09 改訂
2008/07/11 大改訂